2018年8月に、高額療養費制度が改正され、「70歳以上」の負担額が大きく変わります。
高額療養費制度とは、ひと月に医療機関に支払った額が高額にあった場合に、定められた上限額を超えて支払った額を払い戻す制度です。上限額は、個人や世帯の所得に応じて決まっています。
70歳以上の方についてこの上限額が平成30年の8月から変更になります。
今回は高額療養費の限度額がどのように変わるのかを分かりやすく比較してご紹介します。

厚生労働省から7月20日にH29年度の簡易生命表が発表されました。
平均寿命は男性:81.09 歳、女性:87.26 歳となり前年と比べて男性は0.11歳、
女性は0.13 歳延びたようです。平均寿命の男女の差は、6.17 歳で前年と同程度となっています。

平均寿命や平均余命についての説明はこちら
【老後って何歳までの費用が必要??】
を参考にしてください。

平成29年平均余命

男性 女性
現在の年齢 H28の余命 合計年齢 H28の余命 合計年齢
60 23.72 83.72 28.97 88.97
65 19.57 84.57 24.43 89.43
70 15.73 85.73 20.03 90.03
75 12.18 87.18 15.79 90.79
80 8.95 88.95 11.84 91.84
85 6.26 91.26 8.39 93.39
90 4.25 94.25 5.61 95.61

60歳未満が知りたい方はこちら
厚生労働省平成29年簡易生命表の概況
【平成29 年簡易生命表について】(PDFデータ)

健康寿命についても考えましょう

年を重ねれば何か病気が見つかって病院に通院・入院をする機会が増えたり、外出時や家の中でも転んだりした事をきっかけに介護が必要になってしまうこともあります。

厚生労働省では健康寿命も発表していて最新の平成28年は
男性:72.14歳(前回H25年は71.19歳)・女性:74.79年(前回H25年は74.21歳)となっております。

健康寿命は日常生活を送るにあたって家族や行政・民間の介護を受けずに過ごせる年齢(期間)とされていて男性72歳頃、女性の場合75歳頃から医療や介護が必要になる可能性が高くなります。

老後は年金と貯蓄で生活する方が多くなりますが健康寿命と平均余命の差をみると
費用の負担も必要になる可能性が高いので現在加入中の保障内容も早目に確認をして
保障が必要な時期にしっかり利用できるように見直し時期なども含めて検討しておきましょう。

医療費の自己負担限度額の変更について

医療費の自己負担限度額についてですが、昨年も変更になりましたが、70歳以上の方は今年も8月から再度変更になり現役並み所得の区分に該当する方は細かくなります。

【高額療養費】<~H30.7月>

被保険者の所得区分 自己負担限度額
外来(個人ごと) 外来・入院(世帯ごと)
3回目まで 4回目以降
①現役並み所得者
※標準報酬月額28万円以上で
高齢受給者証の負担割合が3割の方
57,600円
※13,200円増加
80,100円
+(医療費-267,000円)×1%
44,400円
②一般所得者 14,000円 57,600円 44,400円
※①および③以外の方 ※2000円増加 ※13,200円増加
③低所得者 Ⅱ(※1) 8,000円 24,600円
Ⅰ(※2) 15,000円

<~H30.8月>

被保険者の所得区分 自己負担限度額
外来(個人ごと) 外来・入院(世帯ごと)
3回目まで 4回目以降
③現役並み所得者
・年収:1,160万以上
・標準報酬月額:83万以上
・課税所得690万以上
252,600円+(医療費総額-84,200円)×1% 140,100円
②現役並み所得者
・年収:770万~1,160万未満
・標準報酬月額:53~79万
・課税所得:380万以上
167,400円+(医療費総額-558,000円)×1% 93,000円
①現役並み所得者
・年収:370万~770万未満
・標準報酬月額:28~50万
・課税所得:145万以上
80,100円+(医療費総額-267,000円)×1% 44,400円
一般所得者
・年収:150万~370万未満
※①~③以外の方
18,000円
※年間上限144,000円
57,600円 44,400円
低所得者 ②住民税非課税 8,000円 24,600円
①住民税非課税
※年金収入80万以下など
15,000円

高額療養費の注意点

※入院時の食事代や差額ベッド代など保険適用外の医療行為は対象外になります。
一般に該当する方の場合はH30年4月~1食460円に上がりました。
※4回以上の場合は同じ保険者の場合に該当になる為、退職して保険者が変わった場合や子どもが就職をして新たに他の健康保険に加入した際は該当しないことになります。
※医療費は通常毎月1日~月末締めとなっておりますので月末や月初めなど月をまたぐ通院・入院の場合は高額療養費の上限に届かない場合があります。
※限度額適用認定証の交付を先に受けることで窓口での支払いを負担限度額までにすることが出来ます。

医療費と介護費の自己負担限度額の変更

高齢者の場合は医療費と介護費用の両方がかかった場合に自己負担の上限があり超えた場合は戻ってきますが70歳以上の方はこちらも8月から変更になり細かく分けられます。

<~H30.7月>

被保険者の所得区分 医療費と介護費の自己負担限度額
(8月~翌年7月まで)
①現役並み所得者
※標準報酬月額28万円以上で
高齢受給者証の負担割合が3割の方
67万
②一般所得者
※①および③以外の方
56万
③低所得者 ②住民税非課税 31万
①住民税非課税
※年金収入80万以下など
19万

<H30.8月~>

被保険者の所得区分 医療費と介護費の自己負担限度額
(8月~翌年7月まで)
③現役並み所得者
・年収:1,160万以上
・標準報酬月額:83万以上
・課税所得690万以上
212万
②現役並み所得者
・年収:770万~1,160万未満
・標準報酬月額:53~79万
・課税所得:380万以上
141万
①現役並み所得者
・年収:370万~770万未満
・標準報酬月額:28~50万
・課税所得:145万以上
67万
一般所得者
・年収:150万~370万未満
※①~③以外の方
56万
一般所得者
・年収:150万~370万未満

56万
③低所得者 ②住民税非課税 31万
①住民税非課税
※年金収入80万以下など
19万

※赤字の部分が変更点

現在健康で医療費や介護の費用が掛かっていないとなかなかどのくらいの医療費や介護費がかかるのか予想が付きにくいと思いますが、現役で働いている方・健康なうちは働く予定の方は負担が大きくなる可能性があります。
医療費や介護費用が掛からないように日々運動や食事に気を使うことも大切ですが、定期的に健康診断等を受けて自分の身体状況も確認してメンテナンスをしていきましょう。

夏の帰省は家族会議のいい機会です

自分たち家族の保障が大丈夫な方は両親の保障がどうなっているのかも帰省したタイミングで一緒に確認してみることもおすすめします。
8月はお盆もあり親戚が集まりやすいタイミングなので万が一病気になった時、介護が必要になった時のこともみんなで話してみてはいかがでしょうか?

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【介護報酬改定で利用者自己負担はどうかわる?家族が考えておく介護の費用】

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