前回NISAのしくみについてご説明しましたが、今回は2016年4月よりはじまったNISA(ニーサ)の子ども版、「ジュニアNISA(ジュニアニーサ)」について取り上げたいと思います。

ジュニアNISAはお子様やお孫様の大学進学や就職などの将来の為のお金を準備するための制度の一つとして新しく作られました。CMも流れていて気になっていた方もいらっしゃると思いますが20歳以上の方が対象のNISAと違う点もありますので『ジュニアNISAのしくみ』のご紹介です。

ジュニアNISAのしくみについて

NISA(ニーサ)とは?
まずはNISAについて・・
NISAは『株や投資信託の値上がり益・配当・分配金が非課税になる制度』です。
銀行や証券会社で非課税口座を開設してNISAを利用した時に上場株式・公募株式投資信託・REIT・ETFなどの配当金や売った時の譲渡益にかかる税金※が非課税になり、H35年までの期間限定の制度となっています。※所得税・住民税・復興特別所得税の合計20.315%

詳しくはNISA(少額投資非課税制度)のしくみ をご覧ください。

▼ジュニアNISAについて
<対象の方> 
日本に住んでいる満0~19歳の方
※口座を開設する年の1月1日時点で19歳以下の方
※20歳以降はNISA口座が自動的に開設されます。

<口座を開設できる数>
全部の金融機関で1口座
※ジュニアNISA口座を開設すると同時に課税ジュニアNISA口座が開設されます。
ジュニアNISA口座:運用をするための口座
課税ジュニアNISA口座:入金の際に使われる口座(株式等の売却代金や配当金などもこちらに入金される)

<制度の対象の期間>
H28年~H35年(最大8年間)

<非課税になる期間>
最長5年間
※5年がたった場合は1年ごと80万円分まで継続管理勘定(オールオーバー専用勘定)という場所で20歳になるまで非課税で保有が可能となります。
(売らずに持っていることはできますが新しく追加することはできません)

<非課税で投資出来る額>
毎年1年間で80万円以内
(投資元本総額400万円まで1年ごとに80万円追加される)

<払い出し>
原則として18歳になるまで引き出し不可
(高校生3年生1月~引き出し可能になります。)

<注意点>
・預金・公社債投資信託(MMFなど)・公社債は対象外となり、売って損がでた場合でも他の特定口座や一般口座の収益と通算は出来ません。※NISAと一緒

・毎年の投資できる枠はその年しか利用できない為、使っていない分があっても翌年以降の非課税の枠は増えず、一度購入して使った枠は売却しても復活しません。※NISAと一緒

・金融機関によって取り扱っている株や投資信託などの商品が違うのでまずは購入したい商品を決めてから取り扱っている金融機関で口座の開設が必要です。※NISAと一緒
(取り扱い手数料も金融機関によって違います)

・NISAと違い金融機関の変更はできず、親権者(両親等)が代理で運用をすることになります。
※ジュニアNISAのみ

・引き出しする場合には過去の利益にも課税され口座は廃止となります。※ジュニアNISAのみ
※災害等やむをえない理由の場合は非課税で払い出しが可能ですが口座は廃止となります
※引き出しは出来ないけど運用を中止することはできます。

・暦年贈与※の110万円の非課税の枠の中にジュニアNISAの80万円も入ります。
両親や祖父母の口座から『ジュニアNISAの口座にお金を入れる』ということはお子様のお金ではないのでそれも贈与となります。
※贈与を受けた場合1年(1月1日~12月31日)で合計110万円までの場合は贈与税が非課税になる制度。
※一人ずつ110万円まで非課税でもらえるのではなく贈与を受けた方の合計が110万円までとなります。
(ジュニアNISAの80万の枠を最大で使用していた場合、他に30万円以上の贈与があった年は翌年に贈与税の申告と納税が必要となります。)

得をする部分もありますが運用することで損をする可能性も出てきます。
高校3年生の1月までは払い出しが出来ないので使わないようにしっかり貯められる代わりに他のライフイベントの費用が足りなくなって引き出す場合はジュニアNISA口座のメリットもなくなってしまいますのでこの機会に今後のライフプランを考えてジュニアNISAを初めてみるかご検討くださいね。