20161017

今回は老後にかかる費用のうちの「医療費」について深く掘り下げていきたいと思います。
生活費とは違い、病気やケガは予測できないのでいくらかかるか予想しにくいものですが、高齢になればなるほど医療費の負担が大きくなるのは避けられません。

厚生労働省から昨日(7月27日)H28年度の簡易生命表が発表されました。平均寿命は男性:80.98 歳、女性:87.14 歳となり前年と比べて男性は0.23 歳、
女性は0.15 歳延びたようです。平均寿命の男女の差は、6.16 歳で前年より0.08 歳ほど差が縮まりました。

平均寿命や平均余命については【こちら老後って何歳までの費用が必要??】を参考にしてください。

平成28年平均余命

男性 女性
現在の年齢 H28の余命 合計年齢 H28の余命 合計年齢
60 23.67 83.67 28.91 88.91
65 19.55 84.55 24.38 89.38
70 15.72 85.72 19.98 89.98
75 12.14 87.14 15.76 90.76
80 8.92 88.92 11.82 91.82
85 6.27 91.27 8.39 93.39
90 4.28 94.28 5.62 95.62

60歳未満が知りたい方はこちら
厚生労働省 平成28年簡易生命表の概況【主な年齢の平均余命】PDFデータ

健康寿命について

年を重ねれば何か病気が見つかって病院に通院・入院をする機会が増えたり、外出時や家の中でも転んだりした事をきっかけに介護が必要になってしまうこともあります。

厚生労働省では健康寿命も発表していて最新の平成25年は
男性:71.19歳(前回H22年は70.42歳)・女性:74.21年(前回H22年は73.62歳)となっております。

健康寿命は日常生活を送るにあたって家族や行政・民間の介護を受けずに過ごせる年齢(期間)と
されていて男性71歳頃、女性の場合74歳頃から医療や介護が必要になる可能性が高くなります。
老後は年金と貯蓄で生活する方が多くなりますが健康寿命と平均余命の差をみると
費用の負担も必要になる可能性が高いので現在加入中の保障内容も早目に確認をして
保障が必要な時期にしっかり利用できるように見直し時期なども含めて検討しておきましょう。

医療費の負担について

介護にかかる費用等については次回にご紹介しますが
医療費の窓口で払う自己負担分は原則として下記の通りになっております。

6歳(就学)~70歳未満の方:3割
70歳以上75歳未満の方:2割
H26年3月までに70歳以上になっている方:1割

ただし、公的健康保険には医療費が多くなった場合には払い戻しをしてくれる
“高額療養費”という制度もありますので自己負担の上限が決められています。

上限額を知っていることで現在加入中の保険の保険料も削減できる可能性もありますので再度確認をしてみてください。

1ヶ月の医療費自己負担の上限額
<70歳未満>

所得区分 3回目までの限度額
(直近12ヶ月)
4回目以降の上限額
(直近12ヶ月)
①区分ア
年収約1160万~
健康保険:標準報酬月額83万以上
国民健康保険:年間所得901万超
252,600円
+(総医療費-842,000円)×1%
140,100円
②区分イ
年収約770万~1160万
健康保険:標準報酬月額53万~79万円
国民健康保険:年間所得600万~901万
167,400円
+(総医療費-558,000円)×1%
93,000円
③区分ウ
年収約370万~770万
健康保険:標準報酬月額28万~50万円
国民健康保険:年間所得210万~600万
80,100円
+(総医療費-267,000円)×1%
44,400円
④区分エ
~年収約370万
健康保険:標準報酬月額26万円以下
国民健康保険:年間所得~210万以下
57,600円 44,400円
⑤区分オ
低所得者
被保険者が市区町村民税の非課税者等
35,400円 24,600円

※医療機関ごとに医科と歯科、外来と入院を別々に計算します。

<70歳以上75歳未満>
H29年8月診療分からH30年7月診療分まで適用

被保険者の所得区分 自己負担限度額
外来(個人ごと) 外来・入院(世帯ごと)
3回目まで 4回目以降
①現役並み所得者
※標準報酬月額28万円以上で
高齢受給者証の負担割合が3割の方
57,600円
※13,200円増加
80,100円
+(医療費-267,000円)×1%
44,400円
②一般所得者
※①および③以外の方
14,000円
※2000円増加
57,600円
※13,200円増加
44,400円
③低所得者 Ⅱ(※1) 8,000円 24,600円
Ⅰ(※2) 15,000円

※1 被保険者が市区町村民税の非課税者等である場合です。
※2 被保険者とその扶養家族全ての方の収入から必要経費・控除額を除いた後の所得がない場合です。
※赤字はH29年7月診療分まで分と変更になった部分になります。
※現役並み所得者に該当する場合は、市区町村民税が非課税等であっても現役並み所得者になります。
※医療機関が誓う場合でもすべての自己負担額を合算しますが外来は個人ごと、その後入院した場合は70~74歳の方すべての自己負担額を世帯単位で合計します。(70歳未満の場合は自己負担が21,000円以上の時に合計できます)

<共通の注意点>
※入院時の食事代や差額ベッド代など保険適用外の医療行為は対象外になります。
※4回以上の場合は同じ保険者の場合に該当になる為、退職して保険者が変わった場合や子どもが就職をして新たに他の健康保険に加入した際は該当しないことになります。
※医療費は通常毎月1日~月末締めとなっておりますので月末や月初めなど月をまたぐ通院・入院の場合は高額療養費の上限に届かない場合があります。
※限度額適用認定証の交付を先に受けることで窓口での支払いを負担限度額までにすることが出来ます。

老後に健康でいることで医療費の節約ができ、やりたい事をする選択肢も増えますので健康なうちからほんの少しでもいいので自分(家族)の体調管理にも気を向けてみて下さい。

毎日忙しく過ごしているとついつい後回しになってしまいますが両親の医療費・介護費用も必要になる場合もありますので
早目に状況の確認をしながら自分の今後のライフイベントや老後にかかる費用も確認して早めに準備をしておくと安心です。

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